水兵さんブログ

俺は、君のためにこそ死ににいく

実家に帰ったら、DVDがあったので観て来た。
ごく最近に作られた映画らしいので、キャストの平均年齢がだいぶ若くてどうも頼りなく見えてしまうのだが、多分俺が年を取ったからそう感じるだけだろう。ちなみに公開は2007年だそうだ。

4年ほど前、似たような内容の番組を見たことがあるような気がする。確か、19歳の兵隊が食堂のおかみに「蛍になっておばちゃんの元に帰ってくる」と言ったシーンや、朝鮮人の少尉が特攻前に故郷の歌を歌うシーンとかは見覚えがあるので、おそらくこのあたりのくだりは実話なのかも知れない。

終戦後、大西瀧治郎中将が介錯なしで割腹自殺をするシーンは、見ていて鳥肌が立ったというか震えが止まらなかった。多くの特攻隊の命の責任を全て自分の命で贖おうとかいうのは奇麗事のようにしか思えないわけだが、その言葉の重みをその壮絶な死に様にて体現してくれたという感じである。足を紐で縛りつけてでも正座の姿勢を崩さないまま果てたその姿には、今の日本人が忘れてしまった「侍」の心が感じられる。
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二百三高地

日露戦争の二百三高地での陸軍の攻防戦を中心に、戦争に駆り出される兵隊、戦争を指揮する軍の上層部、日本の命運を賭けて奔走する政治家達の、それぞれの人間ドラマを描いた作品。

見終わった後「愛は死にますか〜」という、さだまさしの歌がしばらく頭から離れなかった。
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フルメタル・ジャケット

ハートマン軍曹があまりにも有名すぎる戦争映画の傑作。
ベトナム戦争に送り出される海兵隊の兵士の教育隊を題材としている。

何をやってもうまくいかないドジで間抜けなほほえみデブが、上官にどなりつけられ同僚に世話を焼かれるというどうにも居心地の悪そうな状況が、今まさに仕事で新しい部署に異動させられ慣れない仕事をこなさなければならないという自分の状況とシンクロし、自分としてはギャグとして笑えない。
きっとあれは「かってに改蔵」でいうところの「ここは笑うところですよ」的シーンには違いないが。
デブが上官を射殺し、自分も銃で自殺するシーンには、いいようのない悲しみと戦慄を感じた。その後、そんな事などまるでなかったかのように、後半のベトナム戦争に場面転換する。新兵だった頃に刈り上げられた主人公の髪がいつの間にやら伸びているところに、相当の時間の経過が見られる。

・・・ここまで書いて疲れてきたorz
まああれだ、前半メインで後半おまけって事でいいんじゃないすか?
ちなみに、デブが持ち物検査でトランクにドーナツ隠し持っていたせいで、隊の皆が連帯責任を負わされる羽目になり、夜中寝ている最中にリンチに遭うシーンは過去の古傷をえぐられるような気分になり、ここで視聴をストップしようかとも思った。正確には夜中リンチの前に「俺、嫌われてるかも」とぼやいているシーンで、何か嫌な胸騒ぎを感じた時点で電源ボタンを押そうかと思ったんですがね。
これというのも、俺が昔通っていた小学校が、まるで軍隊みたいに厳格な教育方針を取っていたわけです。小学校一年生の時点で、忘れ物をしたり先生に言われた事ができなかったりした時は、軍人精神注入棒みたいな木の棒で折檻されるわけです。それが恐くて、皆真面目にやっていましたが、僕や一部の生徒のように、真面目にやってもなかなか上手くできない子などは、何度も殴られ担任やクラスのよくできる生徒達から目の敵にされていたわけです。
小学校に上がると班行動が義務付けられ、宿題の提出、掃除、理科の実験などは全て班で行うようになっていたのですが、ここでも自分は班員の足を引っ張るような事が多かったわけです。罰は「連帯責任」として班全員に与えられるため、皆に恨まれる事がとても多かったのです。んで当然、連帯責任を負わされた後、班員による陰湿な報復という名目でリンチに遭いました。

だからあのシーンの後、デブが他の隊員の恨みを買って酷い目に遭うであろう事は容易に察知できたわけです。
おそらく「連帯責任」の理不尽さを体感した事のある人間なら、共通して感じる事ができるであろうと思います。
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